高田誠
三重県桑名市の社会福祉法人花園福祉会が運営する「長寿認定こども園」(同市北寺町)で2~3月、園児が保育士に約4時間にわたって給食を食べるよう強要され、失禁させられるなど虐待と疑われる複数の事案があったことがわかった。市が9日、明らかにした。
市の説明によると、給食の強要があったのは2~3歳児のクラス。保育士がぐずっていた園児1人に対し、午前11時半から約4時間にわたり給食を強制的に食べさせようとした上、園児はトイレにも行けず、失禁したという。
ほかの園児に対しても決まった時間以外にトイレに行かせなかったり、日本語が分からない外国人の園児に対し、強い口調でしつこく指示したりすることもあったという。
虐待が疑われる事案に関わったとして保育士ら6人が自宅待機中という。
保護者が3月、市に相談して発覚した。4月28日には市が園に立ち入り調査を実施し、実態を把握。過去の不適切保育の有無も含めて5月中旬にも詳細結果をまとめ、県に報告する。
今回の事案を受け、市は臨床心理士を毎週金曜日に派遣して園児のケアにあたっている。伊藤徳宇市長は記者会見で「市内の園で二度とこういう事態が生じないよう対策を講じ安全で安心できる保育体制を確保する」と話した。(高田誠)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル